最近はあまり見ない気がしますが、ひと昔前ですと、芸能人が離婚する際の慰謝料が数千万円になったというような報道がワイドショーでされていました。報道の真偽のほどはわかりませんが、実際に慰謝料を請求する場合、どのくらいの金額が目安になるのか、相場観がよくわからないことも多いと思います。ここでは、慰謝料の相場観や、どのような場合に高額になる傾向にあるか説明します。
離婚に伴うものは往々にしてそうですが。基本的には当事者の協議で決まります。証拠もなしに慰謝料を請求して了承する人は中々居ないでしょうから、慰謝料の請求の根拠となる証拠の有無は非常に重要です。また、どうしても話し合いがまとまらなければ裁判所で調停を行うことになりますが、それでも慰謝料について合意できない場合、最終的に訴訟によって決まることになります。
訴訟によって慰謝料を請求できるのは、一言でいえば「婚姻関係が破綻したことについて責任がある場合」といえます(慰謝料とは?どんなときに請求できる? )。そのため、いわゆる性格の不一致を理由とする場合、基本的には一方に責任があるわけではないので慰謝料の請求はできないことになります。裁判においては慰謝料請求の根拠を証拠に基づき証明しなければ請求は認められません。不貞であれば探偵のレポートだったり、暴力であれば病院の診断書などが考えられます。仮にこれが証明できた場合、裁判官が自身の心証や過去の裁判例との比較を考慮して金額を決めて判決を出すことになります。
離婚事件の99%は内容が公開されない交渉や調停で終了することもあり、全体的な統計はないのですが、裁判例や個人的な経験の範囲では、概ね50万円~300万円の範囲に収まります。犯罪として実刑判決が出てもおかしくないような暴行や傷害があったり、何年もの間家庭を全く顧みることもなく不貞に及んでいたなど極端な場合でない限りはこの範囲を超えて慰謝料が認定されることは少ないと言えます。
そのため、金額的には財産分与や、養育費の総額の方が大きくなることも少なくありませんが、慰謝料を請求したいとお考えの方は一度ご相談ください。